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夢学

2006-04-07

[]デスウォッチ


すっかりデスノートの陰に隠れてしまっていますが、ファンの間では結構な人気だった宮間ハルトモの「デスウォッチ」が完結したので。というかネットの板ではデスノート敵視してるけど、全然土俵が違う気がする。まだ完結したのがほんの先月なんで単行本派の人は注意。


ある大功を成した男がした願い事。それは自分の死期を知りたいというものだった。

死神は男の願いを適え、男にシンプルなデザインの腕時計を与えた。それはデジタル式で、時間がどんどん減っていくというもの。それがゼロを差した瞬間、男は死ぬのだ。


これはデスノートとは違い手に汗握るかのような駆け引きもなく、従容と己の死期を受け入れた主人公が自分の死に当たっての身辺整理がメイン。

主人公が離婚した奥さんに会いに行ったら引きこもりになった息子を押し付けられ、倒産まで後一歩な自分の会社で、長年勤めていながらも割と無能だった部下が出した案を倒産覚悟で通し、合間合間を縫って古い知人に会いに行ったりするのですが、そのあとの大逆転劇→幸福の中で主人公の死という流れは判っていたのに胸が高鳴りました。

こうやって概要書くとなんてことはない話のはずなのに、面白かった、と思えるのはやはり宮間ハルトモの人物描写とか場面描写とかが巧いからだと思う。

最後、病床にあった主人公に息子が「父さん、遣り残したことはない?」と聞いて、結婚以来何十年ぶりかになる久しぶりのタバコを吸いながら、「おめぇは元気になって、煙草もうめぇ。もうねぇよ」とやせ細った顔に満面の笑みを浮かべる辺りは立ち読みなのに軽く泣いた。