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夢学

2006-04-01

[]唐草灯篭


この漫画を描いたヒロシマギヤオウは「現実にはありそうでない定番」を必ず盛り込んでくる。というよりも、困ったらそれでごまかすような匂いがぷんぷんするので、それで毛嫌いされる反面、そこがいいというファンを惹きつけています。

学園ものを描けば転入生の主人公はパンをくわえた少女と出会い頭にぶつかり、その後必ず教室で再開するし、よほどシリアスなものでもなければメガネの登場人物は男女問わずに素の目を3で表現してしまうのは手抜きなのかウケ狙いなのか判断しがたいところ。でもビン底メガネで、素顔が期待されるキャラですらそれだったのはひどすぎでした。

そして一度だけ描いたサラリーマンがテーマの漫画「漢道中」では、ギヤオウの知識不足か面倒になったのか、主人公が一ページ目で辞表を上司のハゲ頭に叩きつけたし、それ以降は何も考えていなかったのかいきなりハードボイルドな展開になり、銃で撃たれたと思ったら父親の形見のロケットに当たって助かった辺りはさすがに非難轟々でした。さすがにサラリーマンがテーマで始まりながら、最後は惑星を越えて全宇宙を救うとかいう展開になるとは僕も思いませんでしたが。


そして今回の単行本「唐草灯篭」でも、相変わらず部分部分は読めても全体の展開はさっぱり読めないので素敵です。最初の一話は長いとはいえ、現代をテーマにしながら田舎から上京してきた唐草模様の風呂敷を背負ったお婆ちゃんがでるわ、その孫(ネクラな理系高校生。主人公)はフラスコ爆発→アフロの王道ギャグをやらかしたりといつもながら目指すところがわかりません。

帯には「ギヤオウの破天荒ラブコメ推参!」とか書いてありましたが、暫くはラブの要素が一切なくコメディ要素のみで進んでいき、三話目の途中で同級生の女子と一緒に階段を転げ落ち、気づいたら心が入れ替わっている、という行き当たりばったり感満載な展開を迎えます。

その後もギヤオウが大好きな「現実にはありそうでない定番」である、成績優秀、スポーツ万能、家は世界の企業も一目置くほどの大財閥、というキャラが出てきて体だけ女になっている主人公にアプローチしてくるという展開。

一応巻の終わりの方ではラブコメをしているのですが、同時に一話で出てきた主人公のお婆ちゃんの持ち物を狙って変な黒服が湧いてきているので、多分続刊の表紙と帯はラブコメ要素があったことを忘れさせてくれるような違う方向へ向かっているに違いない。ラブコメで始まりながらどのジャンルで終わるのか楽しみです。